ジャン・ジャック・ベネックス監督が１９８６年に製作し、今も人気の高いラブストーリーのオリジナル版をリバイバル。製作二五周年を記念してのデジタル・リマスター版で、出演はベアトリス・ダル、ジャン・ユーグ・オングラードら。
　海辺のバンガローで暮らしていた三五歳のゾルグ（オングラード）。彼の前に突然現われた野性的な魅力の少女ベティ（ベアトリス）は、その単調な日々を変えてしまう。行き場のないベティを家に住まわせたゾルグは、毎日のように彼女と熱烈なセックスを繰り返す。やがてゾルグが書き溜めていた創作ノートを見つけたベティは、その才能が稀有なものだと確信して、彼に心酔していく。
　パリに出て、ゾルグの書いた小説を書籍化するために奔走するベティ。だが出版社の反応は冷ややかで、ベティの情熱は空回りし続ける。失意の中、落ち込むベティをゾルグは慰めようとするが、彼女のストレートすぎる感情は抑えることができず、そのエスカレートぶりは次第にベティの精神を蝕んでいく。妊娠の兆候が誤診だったこともあって、ベティはついに自虐的な行為に及んでしまう。愛する彼女の崩壊する姿を憐れむあまり、ゾルグは悲しい決断をするのだった。