2008年カンヌ映画祭で審査員長を務めたショーン・ペンが、その時に審査員賞を受けたパオロ・ソレンティーノ監督と意気投合し、作り上げた人間ドラマ。共演は「ファーゴ」のフランシス・マクドーマンド、「ペントハウス」のジャド・ハーシュ、新人イヴ・ヒュースンら。
かつて偉大なロック・スターだったシャイアン（ペン）は、いまはダブリンの広大な邸宅に妻ジェーン（フランシス）と隠棲している。顔をあわせるのは近所のロック少女メアリー（イヴ）や株仲介人のジェフリーぐらい。そんな彼のもとへ、故国アメリカにいる父が危篤だと知らせが入る。飛ぶのが嫌いなシャイアンは船でニューヨークへ向かうが、間に合わなかった。30年以上も会っていなかった父だが、葬儀の日に現われた伝説のナチ・ハンター、ミドラー（ハーシュ）によれば、戦争中ユダヤ人収容所にいた父は、ヒトラー親衛隊員ランゲを追っていたらしい。それを聞いたシャイアンは、一人でランゲを探す旅に出発した。
まずミシガン州に。そこにはランゲの妻が住んでいる。夫は死んだと言われるが、その晩忍び込んで孫娘レイチェルの所在地を確認する。ニューメキシコ州のバーガーショップで働くレイチェルと知り合ったシャイアンはランゲの居場所を聞き出すのだが、そのユタ州からランゲはすでに姿を消していた……